「お薬って飲まなきゃいけないの?」

どうもこんにちはMARUHACHIです。現役内科臨床医として大学病院や中核病院で内科生活習慣病専門外来や救急専門外来を担当しています。

ブログでは専門家の視点から「どうやったら健康に長生きできるのか」、「病院とどうお付き合いしてゆけばいいのか」といった日本の学校教育で教わることのない、だけど大人になってから知りたい健康問題の解決策をさくっとコラムで解説していきます

早速、第1回いってみましょう。

初回のテーマは「お薬って飲まなきゃいけないの?」です

 

何を当たり前のことと思われるかもしれませんが、この質問実は毎日のように聞かれるんですよ!

健康診断の結果で引っかかると、ある日医者から薬の定期処方が始まって…、なんて方が多いですが、その実、何のために飲んでいるのかわからずに処方を受けている方は少なくありません。医者は自分なりに必要性を判断したり調節していますが、しばしば短い診療時間の中ではお伝えしきれないことも多く、患者さんは薬は何となくサボったら翌日倍量飲んでみる、気になることを薬のせいと思って自己中断してきたなんてことがよく起こります。中には危険な飲み方をされたり、自己中断のせいで持病が悪化して緊急入院なんてもこともあるんですよ!

 

今日はなぜ薬を医者が処方するのかということを、難しい話は抜きで3つのパターンに分類して説明していきたいと思います。

 

その1.対症療法薬(たいしょうりょうほうやく)

 風邪のときに処方される、鼻水止め、解熱鎮痛薬といった感冒治療がこの代表にあたります。病気の根本原因、例えば感染症であれば原因ウイルスをやっつけるなど根本治療があればいいのですが、世の中には根本治療がない病気も多くあります

 原因を取り除かないけれど、症状があったところで生死にはあまり関わらないけれど本人の不快感とつながるような、今ある症状を緩和するものを対症療法薬と呼びます。感冒治療薬の他にも便秘薬、不眠症治療薬などもここに属するでしょう

 症状がなくなれば内服を飲む必要が無いですし、症状の有無で内服するべきかを決める治療です

 

その2. 症状がつらくて治療をした方が良い根本治療薬

 例えば、パーキンソンの治療薬、認知症治療薬などがこれらにあたりますこうした治療薬は自覚症状が病勢と直結するような病気で問診や診察にあわせて微調整をすすめます。対症療法薬と異なり、一概に辛くないから自己判断で飲まないなどのあやまった対処をすると命にかかわるほど病状が増悪するケースもあるので注意が必要です。主治医と治療の目標や調節目途を相談していきましょう

 

その3.症状が無くても治療した方がよい根本治療

 多くの生活習慣病がこれに相当します。高血圧は血圧をみて調整しますし、糖尿病であれば血糖値、HbA1c(採血)、脂質異常症であればコレステロール値(採血)など客観的指標をもって治療します。この場合痛くもかゆくも無くても放置すると将来心筋梗塞脳梗塞をはじめとした重篤な(命と生活の質に関わる)動脈硬化性疾患が起こりやすいので、症状の有無に関わらず主治医の指導の元きちんと治療が必要です

  その他、心筋梗塞脳梗塞などの後に再発予防で飲む抗血小板薬(俗にいう血をサラサラにする薬)なども症状がなくても飲む必要がある薬に該当します

 こちらも対症療法薬のように自己判断でやめる、などのあやまった対処をすると命にかかわるほど病状が増悪するケースもあるので注意が必要です。自己判断はせずに必ず主治医に方針を相談しましょう

 

っとまあ、初回はこんな感じで紹介としました。

また、外来でよく聞かれる質問なんかを中心に紹介をしていきたいとおもいますので宜しければ、『読者になるボタン』からお気に入り登録のほど宜しくお願い致します

おしまーい